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オンラインセミナー「こどもの発達と支援:米国発達行動小児医療システムの活用法」を終えて

アメリカ時間3月25日(土)に、ぽーと会・JPS Group共催でオンラインセミナーを開催致しました。今回は、日米で臨床経験を持つ発達行動小児科医、崔明順先生をお招きして、乳幼児の脳の発達、言語発達の注意点、米国での発達行動小児医療システムの活用法、そして親子の相互関係を強化する遊び方について教えていただきました。


小さな子どもを持つ保護者にとって「これって発達の遅れ?」「こんな時どんな支援が受けられるの?」という疑問はとても日常的なもの。コロナ禍でオンライン授業が1年半も続いた米国では、これまで目にすることのなかった我が子の学習態度を目の当たりにして、不安を抱える保護者も多かったように思います。ただ、「発達障害」という言葉が一人歩きして、保護者が闇雲に不安を抱えると、親の不安が伝播して子どもの問題行動が一層悪化する場合もあります。また、発達診断を行う医療機関が混み合い、必要な支援が必要な子どもに届きにくくなる懸念もあります。


発達診断を行う専門医である崔先生は、保護者が知っておくべき医学的知識(脳の発達過程や小児科医が診断時に注目するポイント、そして診断基準の概要など)と社会的リソース(特別支援に関する法律や対象年齢、相談先のフローチャートなど)を簡潔に、しかも分かりやすく教えてくださいました。例えば、歩き始めたり話し始める時期を、赤ちゃんの脳量の変化や髄鞘化のタイミングなどと合わせて説明していただくと、我が子の成長を科学的に観察する余裕が生まれ、他の子と比較して不安になることに全く意味がないことが分かりました。また、他国に比べて米国の発達行動小児科医療と特別支援に関するリソースは充実しているらしいと知っていても、誰に相談したらいいのかは分かりにくいもの。日米で臨床経験がある専門医だからこそ、リソースの日米差を対比して示してくださり、誰にどのタイミングで相談したらいいかを示していただけたのも有り難い指針でした。そして、子どもの頑張りを具体的に褒める等、家庭内でできるちょっとした工夫が、親子の関係性を劇的に変える可能性があることも教えていただけたので、参加者の皆さんからは、「もっと早く知りたかった!」「早速今日から取り入れてみます」とポジティブな感想が多く寄せられました。私自身、心理臨床に携わる者として、どんな困り事にも適切な支援があるのだと改めて学ぶ機会になり、大きな勇気をいただきました。


今回のセミナーは参加希望者が大変多く、当日は8カ国から100人を超える方のご参加をいただきました。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。ただ、乳幼児から小学校低学年くらいの小さなお子さんを持つ保護者が主な対象でしたので、お子さんの体調不良等で当日受講できなかった方も多くいらっしゃいました。一層多くの方にお届けしたい情報が満載でしたので、崔先生のセミナーは、これからも企画させていただきたいと思います。

セミナー情報等、随時お知らせできるので、ぽーと会JPS Groupのメールリストへのご登録もお願い致します。仁美

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