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大人のセルフケアに“なんとなくできて楽しい折り紙”―「表現折り紙療法」のご紹介

Updated: Aug 26, 2020

折り紙は日本人にとっては日常的な遊び、外国人に日本の文化として伝える機会も多々あり

ます。でも、私・・折り紙に苦手意識がありました。

皆さんもご存知かもしれませんが、最近は様々な折り紙があります。日本の家族が面白いだろうと送ってくれたキャラクターやケーキを作る類のものは手順も複雑で、きれいに完成したことがありません。我が家には年齢の近い子どもが2人いるので、同時に2つ完成させないと大騒動になる上に、見本の完成品とは程遠い作品しかできないとちっとも喜んでくれない・・。定番の鶴や風船を作っても、3歳と5歳の手先には難しいらしく(性格もあるかもしれません;;)折り紙ファクトリーのように無限に私が作り続けなくてはいけなくなります。次第に、折り紙は「一緒に楽しめないクラフト」というカテゴリーに入って、こっそり子どもの見えない箱に隠していました。


表現折り紙療法、小林利子先生の作品

そんな私に折り紙の楽しみ方を再確認させてくれたのが「表現折り紙療法」を提唱しておられる小林利子先生!支援者を対象にセルフケアとして「表現折り紙療法」をご紹介くださる機会があり、参加してみると「これは!」の連続でした。


写真はOrigami Therapy AssociationのFacebookページからお借りした小林先生の作品です。


5歳の子でも作れる!、折り紙の鍋敷、裏返すとカラーチャートに

まず、折り紙は端と端をきっちり合わせないといけないと思わなくていいということ!なんとなくあっていれば、なんとなく出来るというのは初めての体験でした。講座で紹介して下さったのは、コップの作り方と、それを8つ組み合わせて作る鍋敷でした。外出先で薬を飲むのに、コップを探さなくても、身近な紙を使ってさっとコップができたら便利でしょ?という心憎い紹介から、美しい鍋敷完成までほんの4−5分。更に、赤い紙で作ったコップに、蛇腹折りにした黄色い紙を差し込めば、フレンチフライそのものという、国籍も年齢も問わず誰の心にも響く応用作品も教えて下さいました。これまた子どもに大人気。書籍を早速注文して読むと、小林先生の折り紙は、どれも基本の7つの折り方から発展させていくので、決めた基本形から外れなければ5歳の子どもでも複雑な組み合わせの折り紙ができてしまいます。

折り紙で作ったフレンチフライ

そして、折り紙で風船を作ろうと懸命にならなくても、なんなら紙を丸めてボールにしたっていいということ!折り紙は折るものと思い込んでいたので、折り紙を丸めるなんて考えもしませんでした。折り紙がなければ机に置いてあった銀行の封筒などを折り紙に見立てることもできるし、ただ紙を丸めてきのこを模ったりするのも面白いと言うアイデアもいただきました。先生の「身近なものを使って、できる範囲で、ただ楽しめばいい」という発想が今の私にはセルフケアそのものでした。

脳セラピー折り紙、米国アートセラピー学会認定アートセラピスト、小林利子先生

「表現折り紙療法」を創始された小林先生はアートセラピーを専門にする米国在住の臨床家。ニューヨーク州立ブロンクス精神疾患センターに勤務されていた時には入院患者さんに「表現折り紙療法」を実践されていたそうです。①心身ともに健康で、②安全に暮らせて、③家族や友人がいて、④心が満ち足りている状態を幸せな日常生活の必須条件として挙げ、それらを支援するアクティビティとして表現折り紙療法を提唱されています。確かに、折り紙は①脳の活性化に繋がり、②清潔で安全で安価な素材な上に誰もが安心して使え、③学び合うコミュニケーションを生み出し、④創造的自己表現に繋がります。ご著書の「脳セラピー折り紙」は隅々に小林先生の温かい想いが詰まっているので、ご興味のある方は是非お取り寄せ下さい。Kindle版はすぐに入手できます。


私の住む米国カリフォルニア州では、COVID-19感染者が一向に減らず、ほとんどの学校が9月からのオンライン授業再開を決定しました。オンラインでは提供できる資源が制限されるため、新学期を迎える方以上に新入学の方達は、困りごとへの細やかな対応が一層必要になるでしょう。仕事や介護など種々の課題を抱えつつ、お子さんのケアに日々励んでおられる保護者の皆様も、「新たな日常」の始まりを複雑な思いで受け止めておられるようです。


長丁場となったこのパンデミック下で、大人のセルフケアは何より大切!大人が倒れてしまっては、子どものケアはできません。食事の後やお茶の時間に、なんとなくできて楽しい折り紙での”脳セラピー”オススメです。手先を使って作品を作ってみると、マインドフルネス同様に心が今に集中しますし、できた時の達成感が不思議と心の癒しに繋がります。そして、家族や友人に勧めるとコミュニケーションにも!折り紙が苦手だった私も、机の周りに何気なく折り紙をおくようになりました。仁美

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