アメリカでは新型コロナウィルスの予防接種を終え、久しぶりに親などに会うため、あるいは出張で一時帰国される人もいると聞きます。私も短い期間でしたが一時帰国しました。3月以前に一時帰国された方の話も聞きますと、成田空港での新型コロナウィルス感染症検査・アプリダウンロードの指導などのために成田を出るのに4−5時間かかっていたと聞きましたが、4月末の入国時は成田空港での一連の流れが効率化されていてスムーズになっていたのと、日本での緊急事態宣言発令直後で渡航者が少なくなっていたためか、成田空港を出るまでの所要時間は2時間程度でした。
今回のブログ記事では、最近日本に一時帰国した友人の情報も含め、一時帰国前の準備からアメリカに戻るまでの様子をお伝えします。
準備事項(ワクチン接種完了しているかにかかわらず必要)
変異株による感染が海外でも拡大していることと、入国後の隔離期間にきちんと必要事項を守らなかった入国者が数百名いたとの報道もあったせいか、ここ数ヶ月の間でも水際対策が一層強化されています。
アメリカを出発する前のPCR検査証明書について
以前はアメリカの各検査機関のフォーマットでも受理されましたが、最近は確実に入国させてもらうには厚生労働省の所定のフォーマットの検査証明書を使用することが必要です。検査証明書は出発地の航空会社のチェックインカウンターと日本の到着空港で確認されますが、厚生労働省所定のフォーマットで提出しないとはじかれ、アメリカなどの出発国で飛行機に搭乗できない人や日本の空港に到着しても上陸させてもらえない人が増えているようです。
まず、検査申込み時に、陰性証明書を発行してくれる地域の検査機関を調べ、検査機関を利用したことのある友人にもお勧めを教えてもらいました。検査申込み前に検査機関に問い合わせ、検査方法や検査結果を日本政府所定のフォーマットに記載してくれることを確認し、飛行機の出発が遅れることも考え搭乗日の2日前に検査を申し込みました。陰性証明書の所定のフォーマットには、同じ用紙に日本語・英語の両方が記載されている「日本語・英語版」がありますが(他言語もあります)、検査結果が出た後に(私が利用した検査機関では1日以内に結果がメールで来ました)、そちらの所定フォーマットを検査機関に持参し、記入・署名をしてもらいました。その場で記入漏れなどの不備がないかも確認しました。万一の場合も考え、コピーも取りました。
厚生労働省指定の各種アプリ
ダウンロードを指定されているアプリは、帰国前に出発地でダウンロードしておくことをお勧めします。誓約書なども記入して持参した方が早く手続きが進みます。
各種アプリは、サイトから飛んだ先のPDFに載っているQRコードを読み取ってダウンロードします。質問票を作成するアプリ「Questionnaire」は、帰国前日にQRコードを作って保存したらその後は不要です。
ここでは毎日対応する必要がある上記の1から3の手続きについてお伝えします。国内で使えるスマホを持っていない人は空港でレンタルするように言われます。
1. 位置情報確認アプリ(OEL)による位置情報の報告
毎日11:00-20:00あたりのランダムな時間に位置情報を求める通知が来ますので、来る度に「今ここ!」ボタンを押して現在地を通知する必要があります。1日2回から3回通知が来ます。
2. 健康状態の報告(メール・ウェブサイト)
毎日1回届きます。該当する様子(本人や同居ご家族の熱の有無など)を選択して提出ボタンをクリックして送信します。
3. ビデオ通話アプリ(MySOS等)による居所確認
5月中ばまではビデオ通話はかかってきていませんでしたが、最近一時帰国した知人によると、毎日ビデオ通話がかかってくるそうです。健康状態をチェックするビデオ通話アプリ「My SOS」には、月曜から金曜の毎日1回電話が掛かってきます。背景が映る状態で通話をし、体調に変わりはないか尋ねられ、引き続き隔離生活を送って下さいとのお願いがあるそうです。バーチャル背景は許されず、自宅や待機指定場所にいることがわかるように背景も全て見せられる状態にしておくことが必要だそうです。(隔離している人には通話の相手は見えないようです。)
4の接触確認アプリ「COCOA」もダウンロードしますが、これは新型コロナウイルス感染症の感染者と接触した可能性について通知を受け取るものです。
日本の空港に到着してから
日本の空港に到着して機内から一歩出ると、係員が多数待機していて、その指示に従って移動します。アメリカから持参した陰性証明書と誓約書を提示・提出し、新型コロナウイルス感染症PCR検査(当時は唾液検査)を受け、アプリダウンロードの指導・確認、連絡先となるメールアドレスが有効かの確認、スマホの位置情報記録の保存設定など、整然とベルトコンベア式に空港内を移動するよう案内されます。最後にPCR検査で陰性の結果が出ますと、番号札の番号で受付に呼ばれ、荷物を拾って出口から出られました。全工程は比較的スムーズで、数時間で完了していきます。
日本の空港から自宅までの移動手段
公共交通機関は使えません。レンタカーを借りて自分で運転して行くか、ハイヤーで移動します。JALではハイヤーのMKタクシーと提携しているようです。これらは事前にアメリカを出る前に予約しておくことをお勧めします。
アメリカに帰国する際に新型コロナウイルス感染症検査を受けられる日本の医療機関
帰米する際には、搭乗日の3日以内に新型コロナウイルス感染症検査を受けた上で陰性証明書を取得しておく必要があります。72時間以内にPCR検査の結果を出してくれる日本の医療機関のリストが以下のアメリカ大使館のページに記載されています。
アメリカ大使館 日本における新型コロナウィルス検査機関のリスト
厚生労働省 全国及び各都道府県における「自費検査を提供する検査機関一覧」
厚生労働省のこちらのサイトでも自費検査を提供している日本の医療機関のリストを掲載しています。(日本語のみ)
(両機関とも各々のサイトに掲載されている医療機関を推奨するものではないとも明記しています。)
日本を出る時に、アメリカ行きの場合、空港の航空会社のカウンターで誓約書と陰性証明書が確認されます。
CDCアメリカ疾病管理予防センターのサイト
アメリカに到着後の手続きでは、空港と入国者の個々の状況にもよるかと思いますが、5月末時点のサンディエゴの空港では書類の確認はありませんでした。
アメリカに帰国する時の成田空港の様子
保安検査(手荷物検査)を済ませて入ると、空港内のお店はほとんど開店していませんでした。開いているのは一部のカフェ、免税店が数店、航空会社のラウンジだけでした。保安検査に入る前のところのレストランやお店はわりと開いていましたが、人気が少なく閑散としていました。
日本政府の水際対策措置も日々変更されていますので、一時帰国される場合は厚生労働省や外務省が提供している最新の情報をこまめに確認してください。
(この記事は一時帰国する際の情報提供を目的としていて現時点での一時帰国を推奨するものではありません。)
Risako Watanabe
参考サイト
厚生労働省
水際対策に係る新たな措置について
日本へ入国・帰国した皆さまへ 「14日間の待機期間中」のルール
外務省
新型コロナウイルス感染症に関する新たな水際対策措置情報を得るには
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